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25軒がコスモスの花畑のなかに散在し、約60人を収容できる。
それらの中央には、同じ円型の大きな建物があり、食堂と集会室になっている。
一行は「こんなきれいなホテルがあるなんて」と目を丸くしていたが、よほど粗末な宿舎を想像していたようだ。
私たちはワメナのバザールを見物したり、バリウム川にかかるトウと木で造った物騒な吊橋を渡ったり、郊外のショコシモ村やプギマ村を訪ねた。
郊外の人たちは素朴で人なつこく、メンバーはみんなホッとした感じで、ようやく打ちとけたようだった。
そして、ジビカ村で思わぬ戦闘の場面に出くわし、勝利の踊り、歓迎の踊りと続いたのだった。
これらの1種の″ショー″は、私も初めての体験で、インドネシア側の旅行社の演出によるものだが、実際の場面の再現で、スリルもあり、楽しく、観光客を喜ばせるためにはもってこいだと思う。
もともと彼らの戦争は、ほとんどが女やブタの″盗難″などによる部族間あるいは村同士の対立によるもので、アシ製の矢が主な武器だから、文明国のような殺伐とした皆殺し戦争と違って、1種のスポーツのようなもの。
しかも、いまでは平和だから、めったにないという。
話をジビカ村に戻そう。
やがて、一頭のブタが引き出され、2人の男が両足を引っ張り、別の男が弓矢をかまえて心臓を狙って射る。
すさまじい悲鳴をあげてブタが死ぬと、さっそく解体が始まる。
同時にブタ祭りの踊りが繰り広げられた。
1メートルほどの棒に白い烏の羽根を飾ったものを振りかざし、足をばたつかせながら「ワシ、ワシ、ワシ」と叫ぶ。
すっかり気分が乗った3人の女子大生が、棒飾りを手に、満面の笑顔で踊りまくる。
いつしかディスコダンスに。
これにはグ二族のほうがびっくり。
次に木と竹ひごをすり合わせる発火作業。
たき火がおこると石を焼いて、いよいよ石むし料理の始まりだ。
村人約50人分の石むし料理だから、かつてウギンバ村で見たのに比べると、かなり大がかりなものである。
放射状に広げた草束のなかに大量のサツマイモと焼石が放り込まれ、上部にブタ肉を並べ、草の束で包み込むと、直径も高さも約1メートルの円筒型になって、石むし料理ができあがるまでの約1時間、広場の中央にペニス・ケース、石オノや石のチョウナなどの石器類、腰ミノ、網袋、楯などがずらりと並べられた。
バザールの出現である。
物々交換よりも現金取引を好むようだ。
ちなみにペニス・ケース1本が約100円、石オノ一丁が約500円。
しかし、石オノを200円で買った人もいるから、値段はその場次第という。
女たちが石むし料理の草束を解くと、柔らかくむしあがったサツマイモやブタ肉が出てきた。
踊り叫んで空腹を抱えていた私たちも、村の人たちと一緒になって、手づかみの食事を始めた。
鍋や釜がなくても、大きなサツマイモがなかまで柔らかく煮えるのに感心しながら、まるでピクニック気分で舌鼓を打った。
ここがニューギニアの中央高地だということも忘れた一瞬だった。
3日目、ワメナ郊外のスロバ村へ泊まりに出かけることになった。
焼畑によるイモ畑が広がって、ワメナ周辺の農地は焼畑がまだ多いが、インドネシア政府による農業改革の指導も始まっており、輪作もみられる。
これは焼畑農耕では地力の衰えが早いので考えだされた方法。
同じ耕地に性質の違った作物を計画的に組み合わせ、一定年ごとに交替で作付けする栽培法である。
これによって連作による地力の減退や病虫害の被害を防止し、同じ耕地を数年以上も使えるようになった。
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